<福知山線事故>遺族の思い届く 歴代3社長起訴議決 (毎日新聞)

 「起訴すべきである」。JR福知山線脱線事故で、神戸第1検察審査会が歴代3社長の起訴議決をした26日。神戸地裁前の掲示板に張り出された議決内容を記す用紙を見つめながら、次男昌毅さん(当時18歳)を亡くした上田弘志さん(55)=神戸市北区=は昌毅さんの写真を取り出し、「なぜ死ななければならなかったのか。一番知りたいのは息子。だから一緒に来た」とつぶやいた。「法廷で会社の責任を明らかにしたい」。そう思い続けてきた遺族たち。この日ようやく思いが届いた。

 同審査会への申立人でもある上田さんは2月25日、検察審査会で意見陳述を行った。「起訴されないと捜査資料が出てこない。真相を知りたい」と心を込め、語りかけたという。「亡くなった106人の乗客が審査会の方たちを後押ししてくれたと思う。やっぱり市民は強い味方です」と目頭を押さえた。

 他の遺族たちも「公開の法廷での真相究明にはずみがついた」と口々に評価した。刑事事件の被告が起訴されれば、捜査段階での供述などが公開されるからだ。申立人の一人で妻と妹を亡くした浅野弥三一(やさかず)さん(68)=兵庫県宝塚市=は「時効が迫る中、審査会のメンバーが勇気を持って審査してくれた」。その上で「議決は、歴代3社長が実際に危険性を予見できたかどうかではなく、予見する立場にあって部下に監督・指示すべきだった点を重視し、明快に判断している」と話した。

 長女を亡くした藤崎光子さん(70)=大阪市=は、既に起訴された前社長の山崎正夫氏に関する捜査記録を見るため、何度も神戸地検に足を運んだ。「捜査記録には、被害者に全く知らされていなかった、驚くような事実が詰まっている。被害者が情報を得るには、裁判は非常に重要な過程だ」。一方で「3社長に対して処罰感情を持っているわけではない。事故の背景や要因を自ら話そうとしてくれないなら、裁判という公の場に出てきてもらおうという、その一心で申し立てをした」とも述べた。【衛藤達生、山田奈緒、大沢瑞季】

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